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2016年10月8日土曜日

【小説のようなもの】第12弾 伝える想い

今回は動画用を前提とした物語なので、若干描写が適当な部分があるかもしれません。
そして安定のオリキャラ、キャラ崩壊、うp主はCP厨他諸々耐えられる方のみお読みください。

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ある日のことだ、フランドール・スカーレット、古明地こいし、封獣ぬえの三人が私を訪ねてきた。

「ねえ、ちょっとお願いがあるんだけど。」

また姉妹喧嘩か、初めはそのくらいにしか思ってなかった。
怒り狂ったレミリアが襲撃してくるまでは。







紅魔館 某日

「ふんふふ〜ん」

いつもの如くレミリアは暇を持て余してフランドールの部屋に向かっていた。

「フラーン、今日は何をす・・・る?」

いつものようにノックもせずにドアを開ける、時々着替えの最中に当たる事もあるがそれはご愛嬌。
だが、この日は違っていた。

割れた窓ガラス、半壊したベッド、壁に残った切り傷。
そして、フランドールはどこにもいなかった。

「・・・・・・」

無言でドアを閉じる。

「咲夜」

「ここに」

目を閉じ、静かな声で自らの従者を呼び出す。

「フランがどこにいるか知ってる?」

勤めて普段通りの声で咲夜に問いかける。
ここまでの問答はよくあることだ。

「私は何も聞いておりませんが、部屋にいらっしゃらないのですか?」

この返答も特におかしいことは無い。
フランドールが勝手に遊びに行くことは、まあ、たまにある。
あの部屋の惨状がなければ放っておくところなのだが・・・。

「ええ、どこかに出かけたみたいね。
 暇だし散歩がてら探しに行ってくるわ。」

「承りました。
 今宵の夕餉は7時頃を予定しておりますので、それまでにお戻り頂けますよう。」

「ええ、そのつもりよ。」

そう言ってレミリアは咲夜に背をむける。
咲夜に気づかれないようにではあるが、その瞳には明確な殺気がこもっていた。



・・・・・・・・・・・・


魔法の森奥地 魔王城 同日


「ごめんね、隠れ場所に使っちゃって。」

フランドールと友達二人はとある一室でお菓子片手に談話していた。

「いや、それは良いんだけどね。
 なんでまた家出?」

素朴な疑問だ。
部屋も余っているし困りはしないが、適当なところで帰ってもらわなくてはいけない。
クイーン自身も挽き肉にはされたく無い。

「えっと、最近お姉さまが、その・・・本当に私の事・・・好きなのかなって。」

「・・・・・・は?」

完全に無意識に素っ頓狂な声が出ている。
クイーンは後ろにいる二人にも目を向けてみる・・・目を逸らすな。

当たり前なのだが、レミリアはフランの事を溺愛している。
姉妹の域はとうの昔にぶっ飛ばして恋人以上夫婦未満みたいな甘々ライフを送っていると思っていたのだ。
未だにそのはずだ、クイーン自身つい最近紅魔館で目撃したばかりだ。

「あーえー、なんでまたそう思ったわけ?」

誰かが余計なことでも吹き込んだのかと思いとりあえず尋ねてみる。

「特に何ってことも無いんだけど。
 私の事を、その・・・好きって言ってくれなくて・・・・・・。」

さすがに口で言うのは恥ずかしいのか顔を真っ赤にして話しているのだが、
恥ずかしいのはむしろ周りの方だ。
クイーンももはや何も言わない。

(つまりこれはあれね、直球な愛の言葉に飢えてるのね。
 ・・・レミリアの言動を側から聞いてればかなり直球な気もするのだけど。)

例えば
 「ねえ、"私の"お姫様?」
とか
 「"愛しの"フラン」
などなど愛情がだだ漏れなのだ。

「まあうん、言いたいことはわかった。
 でもそれを解決【ズドガァ!!!!】

クイーンの言葉を遮ってとてつも無い爆音が響く。

「・・・なんで城壁の結界にヒビが入ったの、今。」

この城の城壁は人形兵の召喚術式と、隠蔽防壁結界の媒体を兼ねている。
つまり、結界が破れるということは隠蔽を無視して守備の人形兵を蹴散らし結界に攻撃をしているということである。

「えーっと?
 ・・・・・・・・・なんでレミリアが攻めてきてるのかな?
 入るだけならフリーパスのはずなんだけど。」

術式越しに状況を探ったクイーンが微妙な顔でフランの後ろで知らん顔を決め込んでいる二人に声をかける。

「・・・ちょっとフランの部屋に種をね?」

「ちょっとぬえに入れ知恵をね?」

ついにこいしとぬえが白状した。
この一言でクイーンも全て合点がいった。

「もしかして、レミリアはフランが誘拐されたと思ってる?」

「え?!」

一番驚いてるのはフランだったのがなんとも言えない事実であった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「さて、お邪魔するわよ」

邪魔な玩具と結界を力ずくで打ち破ったところで、堂々と侵入宣言である。

「ほっ」

【バガァン!!!】

城壁さえ破れば大した防御力が無いことは知っているので、躊躇なく玄関を破壊して中に入る。

「ようこそ我が城へお嬢様。
 物騒なノックでしたが、何か急なご用事で?」

玄関ホールでワザとらしい敬語と共に深々と一礼するクイーン。

「言わなくとも分かっているはずだ。」

「はて、なんのことやら私にはさっぱり。」

「私のフランドールはどこだ。」

「さあ、存じ上げませんねえ。
(これだもんなぁ)」

殺意を隠そうともしないレミリアと、飄々とそれを受け流すクイーン。
この構図は基本短気なレミリアには苛立たしいことこの上無いことであった。

「余計な問答はこの際どうでもいい。
 私には分かる、フランはここにいるのだろう。
 この城を瓦礫に変えてでも探す。」

そう言ってスペルカード3枚を構える。

「・・・まあいいか、この際どっちが格上かはっきりさせましょうか。」

同じく3枚のスペルカードを構えるクイーン。
これで弾幕ごっこの準備が整う。

「ヴァンパイアクロウ」
「フェイク・ザ・ブレイズ」

両者が動いたのは同時だった。

【ガガガガガガガガガッ!!!】

互いに牽制の意味も含めて開幕スペルカード使用は避けたため、レミリアの魔力の爪とクイーンの魔力で編んだ刃のぶつかり合いから戦いは始まった。

速度と技術で勝るクイーンの攻撃はレミリアの体を掠め傷を与えるが、吸血鬼の圧倒的な回復力にかき消されていく。
一方レミリアは打撃力に勝り打ちあう度にクイーンの剣を砕いていく。
しかし、砕かれる度に次々と新たな剣を作り出し決して隙を見せない。

両者のぶつかり合いの結果周囲には血と剣のかけらが飛び散る。
だが、そのぶつかり合いも暫くすると一度止まる。

「いい加減にその出来の悪い剣を使うのはやめたらどうだ?」

「そっちこそ、力任せのゴリ押しやめたら?」

双方軽口が叩ける程度に余力がある。
だが、このままでは何時までも決着が付かないことも理解しているようだ。

「ここで引かなかったこと、後悔させてやる!!」

運命「ミゼラブルフェイト」

レミリアがスペルカードを宣言する。
宣言と同時に周囲に飛び散っていた血液が鎖の形に変化してクイーンに襲いかかる。

「やってみなさいよ!!」

剣舞「百花繚乱」

クイーンもすかさずスペルカードを宣言する。
突如彼女の周囲に現れた何十本もの数多の種類の剣剣剣

「ハァア!!」

一息でそれら大量の剣を撃ち放つ。
放たれた剣は正確に血液の鎖を撃ち抜き床・壁・天井様々な場所に打ち付けていった。

「な、に」

乱雑に放たれたように見えて正確な反撃に思わずレミリアでさえ舌を巻く。

「っ!!」

次の瞬間頭上から落ちてくる数本の剣がレミリアを捉える。

巨大な炸裂音。
普通の剣ではありえない爆風の余韻がレミリアの周囲に砂埃をたてる。
それと同時に鎖も血液に戻ってしまう。

「まずこれで一枚目」

神槍「スピア・ザ・グングニル」

一言呟くのが早いか、赤い影がクイーンの左腕を吹き飛ばす。

「これでお互い一枚ずつ消費。
 五分に戻ったわ。」

砂埃の中から赤い一線が放たれその衝撃で砂埃を吹き飛ばす。
その中に立っているレミリアの手には、真紅に輝く槍が握られている。

「いっつつ・・・そうね。
 でも弾幕ごっこは別に先手必勝じゃないわ。」

残った右手で次のスペルカードを構える。

聖槍「ランス・オブ・ロンギヌス」

「このスペルは初めて使うけど。
 どこまで使えるかしらね。」

漆黒の槍を右手に構えるクイーンの顔にはフランドールに負けない・・・いや、それ以上とも言える狂気を帯びた笑顔が張り付いていた。
フランドールとの違いは、その狂気を完全な支配下に置いていることかもしれない。

「もう少し適当に済ますつもりだったけど、楽しくなってきちゃった。
 もうちょっと遊ぼうかな!!」

その言葉に合わせるように漆黒の槍は数倍の大きさに膨れ上がる。

「ふん、まだこのスペルで決着では無いがな。
 だが、そんな紛い物に遅れを取るわけにはいかない。」

レミリアの真紅の槍もまた持ち主の気迫に応じるため倍ほどの大きさになり、激しい輝きを放つ。

「「はあああああぁぁぁぁあああああ!!!!」」

双方が槍を放ったのは同時だった。
二つの槍は二人の丁度中央でぶつかる。
激しい爆発と轟音。
その衝撃が収まったとき立ち続けている影は赤の一つだった。

「私の勝ちだ。」

「うぇ〜、結構本気だったんだけど。」

悠然と自分の勝ちを宣言するレミリアと仰向けで両腕をもぎ取られて"人"の字で転がっているクイーン。
この一撃での勝敗は明白であった。
だが、スペル自体は相殺されたため二人揃ってスペルブレイクではある。

「一勝一敗次で最後だ。」

レミリアが最後のスペルカードを取り出す。

「そうね。
 別に負けたって私は困らないんだけども・・・ね!っと」

そう言いながら腕を使わずに器用に立ち上がる。
【カチンッ】と歯を打ち合わせると、そこにスペルカードが現れる。

「さて、その気配からしてラストワードかな?」

カードを咥えながら楽しそうな目つきでレミリアに問いかける。

「ああ、手加減は無しだ。
 城ごと吹き飛ばす。」

端から見ても分かるくらい高密度の魔力がレミリアの周囲に漂っている。

「それは困るなー。
 あんまり城を壊されると私が兄さんに怒られちゃうし。
 止めるよ?」

先ほどの狂気の笑顔から一転、しれっとした表情でとんでもない圧力を醸し出している。

「・・・腕無いと不便ね。」

わずかな間互いに睨み合うと、クイーンがつぶやく。
ジワリと腕が付いているべきあたりに陽炎のような物が現れる。
そのまま少しずつ色が付いて行き、陽炎が無くなると完全に元通りに腕が付いていた。
服も全く違和感なく元通りだ。

「んー、いい加減ぶっちゃけるとフランはここにいるんだけど。
 なんでわかったの?」

咥えていたスペルカードを手に持ち替え、弄びながら質問する。

「勘、かしらね。
 それに、私がフランの居場所を見つけなくて、誰がみつけるというの?」

自信たっぷりに言い切るレミリアに思わずクイーンも呆れ顔になる。

「・・・・・・(あー、もうなにこれ茶番?)。
 まあいいや、この際はっきり聞いておくわ。
 あなたフランのこと好きなの?」

今更な質問ではあるが、レミリアの口から言わせない事には根本的な解決にはならない。
とはいえレミリアからしても今更な質問であり、怪訝な顔をする。

「今更なに言ってるの?
 大好きに決まってるじゃないの。」

「(知ってた)
 あなたの言うその大好きは、どういう意味なのかしらね。
 妹として?それとも"私の"なんて言ってるしペット?」

聞いてる側すら段々投げやりになっているが、隣室でフラン本人が聞いている為本音を引きづり出さなくてはいけない。

「そうね、妹としてというのは間違いじゃないわ。
 でもペットというのは流石に違う。
 あの娘は私のもの、私だけの虜、私だけを見てればいい。」

レミリアの発言に少しずつ熱が入る。
初めから分かっていたことだが、この姉妹が相思相愛なのはいつものことである。

「あーはいはい、わかった、うん。
 それ本人に面と向かって言おうね。
 私としては段々イライラしてきたからそろそろ決着つけよう。」

慣れているとはいえいい加減惚気に付き合いきれなくなったクイーンがスペルカードを発動させる。

「このスペルも新作よ。
 舐めると痛い目見せるから。」

ラストワード「偽聖剣カリブルヌス」

黄金の輝きを持つにもかかわらず暗闇の邪悪さを兼ね備えた剣をクイーンは両手に構える。

「やれるものならやってみろ」

ラストワード「スカーレットディスティニー」

レミリアも対抗してスペルを発動させ、周囲に大量のナイフと赤い大弾が複数作り出す。

「「いざ!!」」

三度二人は同時に動く。
互いが放った渾身の一撃。
一方は強大な光の奔流、一方は刃の雨と弾幕の嵐。
双方の一撃がぶつかり合う。

  ・
  ・
  ・
  ・
  ・
  ・


「ん・・・。
 私は、負けたのか?」

目覚めたのはレミリアだった。
どうやら脳震盪で気絶していたらしく、目を開けても焦点が合わない。

「・・・情けない。
 前にフランにあんな大見得切ったのに。」

溜息とともに目を閉じる。
なんだかとても心地がいい。
このまま眠ってしまいたくなるような。

「んーん、今でもお姉様は絶対無敵の私の女王様だよ。」

とても覚えのある声が・・・ん?

「・・・フラン、やっと見つけたわよ。
 手間掛けさせてもう。」

目は閉じたまま声に出す。
別に怒っているわけではないが、あまり格好悪い姿は見せたくなかった。

「ごめんなさい、ちょっと手違いがあって。」

「・・・は?」

改めて目を開ける。
大分焦点も合うようになって周囲の様子が見えるようになっていた。
目の前には視界いっぱいにフランの顔。
少し横を見ると・・・

「なに、あれ。」

こいしとぬえが簀巻きにされて転がっていた。

「うん、ちょっと悪戯が過ぎてたからお仕置きをね?」

ニコッっと笑うフランからはどことなく邪悪なオーラが漏れ出ている気がしたが気付かないことにした。

「さ、帰るわよ。
 もう直ぐ夕飯の時間だわ。」

大穴の開いた天井から空を見るとかなり日が傾き夜の帳が下り始めている。

「うん!!」

さて夕飯はなんだろうか。

「ちょっと待ったーーーーーーーーー!!!!!」

うるさい

「何よ、人がいい感じで終わろうとしてる時に。」

フランの膝枕から立ち上がって格好良く立ち去ろうという時に余計な茶々が入る。

「人のことキリスト宜しく壁に磔にしておいて何食わぬ顔で帰ろうとするなーーー!!」

まあ、これが先ほどのラストワード対決の結果である。
クイーンはナイフの雨に打たれて壁に磔にされ、レミリアは衝突の衝撃波に吹き飛ばされ頭を打ったのである。

「・・・自力で降りられるでしょう?」

「面倒なの!!
 降ろせーーー!!」

「はいはい」

いい加減面倒なのでフランと二人で刺さったナイフを抜いていく。
どうにも妙な絵面だ。

「ああ・・・結局城が壊れたぁ。
 また直すのかぁ。」

ようやく壁から降ろすとそのままグッタリと項垂れる。

「さ、今度こそ帰りましょフラン。」

「はい、お姉様!!」

「トホホ〜」

さすがにこれ以上は付き合ってられない。
さっさと帰ろう。





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未だ文章構成が迷走している無徒です。
読了ありがとうございました。
途中で面倒になってすっ飛ばした方は下手で申し訳ありませんでした。


しかしまあ、動画制作の息抜きに作っていたはずが動画が進んでないぞ?

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