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2015年4月22日水曜日

【小説のようなもの】第10弾

この小説には、
   ・二次創作
   ・キャラ崩壊
   ・自重の欠片もないオリキャラ
         等々含まれます。


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異変があった。

とある弱小妖怪が遠い昔のマジックアイテム「打出の小槌」で幻想郷に反逆を企んだのだ。

まあ、結果だけ言えば恒例ながら博麗その他複数の勢力が制圧に乗り出し、少し大きな異変程度で終わった。

実行犯という事になる小人は、博麗の元で監視という名目の保護が行われたが、その小人に今回の件を焚きつけた黒幕「鬼人 正邪」

こちらに関しては逃亡を図った為、捕縛要請が幻想郷各勢力に行われた。

当然我々魔城一派にもその通達は来た。
少し思う所があって無視させてもらったが。

で、その黒幕とやら。
多数の勢力からの追撃を振り切って地底に逃げ込んだ、というのが専らの噂だ。


だが実際の所は・・・





「さて、どうしたものかなこれは。」

石造りの大広間の端にある玉座に座ったままそう呟いたのは、この魔城の主 魔王ナイトである。

ナイト「なんでこんな所に幻想郷全土レベルの指名手配犯がいるんだか。」

どこか巫山戯たように言い放つその視線の先には、輝針城異変の黒幕、鬼人正邪が立っている。

正邪「・・・・・・・・・。」

尋常じゃない目付きで無言のまま彼を睨む正邪には、致命傷とは言えないまでも大量の痣や怪我がある。

ナイト「で?ウチの戦力叩き潰して何しに来た?
    今更俺に泣きついても助けてはやれんぞ?」

飄々とした態度を崩さず言い放つ彼の目には明確な殺意が伺える。

正邪「・・・ここでアンタを倒せば、まだ、やり直せる。
   この城のカラクリは解ってる。」

大きな声ではないものの、明確に聞き取れる声で答える彼女の手には打ち出の小槌が握られている。

ナイト「よく調べたな。」

飄々とした態度から僅かに警戒の色味を見せつつ会話を続けようとする。

正邪「・・・昔、アンタの元を離れてから散々調べた。
   そして、あの土人形共のカラクリを知った。」

どこまでも冷静さを維持しながら話しているが、その声色から滲み出る疲労は隠せていない。

ナイト「で、乾坤一擲って訳だ。
    ちょいと分が悪・・・いや、小槌、か」

得心した様子で言うと、玉座から立ち上がる。

ナイト「そんなオモチャで何が出来るのか、見せてもらおう。
    小槌の力でこの城を無力化しても、俺の力を削ったわけじゃないぞ?」

両手を大きく開き、膨大な魔力の放出させ始める。
同時に周囲に手のひら大の宝石と多様な形状の剣が無数に出現する。

     破滅「破壊神降臨」

ナイト「まあ、あれだ。死ぬなよ?

正邪「うおああああああああ!!!」

スペルカード発動と同時に様々な反則アイテム全て展開した正邪が挑みかかる。

決着は数分だった。

デコイ人形は猛烈な攻撃であっという間に破壊され
身代わり地蔵はあっという間に効力を失い
マジックボムは効果範囲に入る前に撃ち落とされ
カメラの撮影は追いつかず
陰陽玉や傘の能力程度の移動距離では躱しきれない
ひらり布と送り提灯の力で弾幕をようやく掻い潜り、魔王の元へ進み続ける。
その手に持った小槌を叩きつける為に。

正邪「はぁ、はぁ、はぁ・・・まだ、わたし、は・・・。」

よろよろと向かっていく正邪にはもう体力は残っていない、気合だけで進んでいるようなものである。

ナイト「・・・頑張ったじゃないか。
    昔よりは遥かに。」

彼は二つ目のスペルカードを発動させる訳でもなくただ向かってくる正邪と相対し続ける。

限りなく長く、そして限りなく短い数秒が過ぎ、正邪はようやく辿り着く。

正邪「これで、下克上は、成・・・った」

既に殆ど力を失った腕で魔王に小槌を打ち付ける。
「トスッ」と軽い音だけが広間に響く。
そのまま正邪は魔王に倒れこむ様に意識を失う。

ナイト「ああ、お前の勝ちだ。
    よく頑張ったな。」

抱き留める様に倒れこんだ正邪を支えつつ呟く彼にはもう、殺意やら警戒心はない。

???「良いの?
    捕縛要請出てるんでしょ?」

そう声を掛けつつ玉座の陰から姿を現したのは魔王が腹心クイーンである。

ナイト「良いんじゃないか?
    紫辺りはこいつがウチに入り込んだ事は知ってた筈だ。
    なのに何もってこなかったんだし。」

正邪を肩に抱えつつ普段の飄々とした口調で返す。

クイーン「別に私は構わないけど、彼女どうするの?」

そう問い質す彼女の表情にはどこか楽しそうな気配がある。

ナイト「しばらくは行方不明になってもらう。
    そっから先は自分で考えさせるさ。
    隠れ家の一つもくれてやればどうとでもなるだろう。」

そう言って正邪を新しく作り出した人形兵に運ばせる。

ナイト「まあでも、例の小人には潜伏先を教えてやれ。
    正邪がここまで強くなったのは、もしかすると彼女のおかげかもな。」

そういうと玉座に座り、居眠りを始める。

クイーン「了解、あとは私の方でやっておくわ。
     お休み、お兄ちゃん。」

そういうとあざとくウインクして広間を出て行く。

後に残ったのは、静寂と戦いの痕だけであった。



                                  【終】




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はい、もし最後まで読んで頂けた方がおりましたらお疲れ様でした。
今回は正邪ちゃんの出る物語が作りたかったんです。

ちなみに、今回の話では裏設定として、幻想郷が作られた頃のナイトが治安維持の為に魔法の森周辺の統括していた際、幻想郷のあり方に否定的だった正邪が反乱を画策し立ち上がった、その時に魔城一派に完膚無きまでに粉砕された経緯があります。
つまり、正邪はもともとナイトの部下の一人だった訳ですね。

だから正邪を始末しませんし、これからはバックアップとまではいかないものの細々と便宜を図ったりします。

たとえ裏切り者でも、部下は大事にするのが彼です。
その代わり部下や知り合いではないもの(人形兵とか)は平然と使い捨てるわけです。

では、妙な補足はこの辺にして、今回はこの辺りで終わりましょう。

読んで頂いた方、御視聴(?)有難う御座いました。

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